ねえ、

日記

なんかもう、ままなら過ぎる。
TPO弁えてさ、お外ではおとなしくしてるからさ、頼むよ。
……とブログを作ってみたものの、今日は割といい感じに過ごせてしまった。ていうか、そもそもいい感じの日じゃないとブログ作ったりできないよね。床に倒れてることしかできないよね。

どういい感じだったかというと、今日は本を買ってきて、その一冊を一気に読むことができた。本当、久しぶり。多分1年半振りくらい。久しぶりに、周りの音が一切聞こえなくなるくらい集中して物事に取り組めた。頭があつい。え、今日めっちゃ調子いいんじゃないのこれ。大丈夫?明日(ていうかもう今日だけど)大丈夫?

もう夜も遅いから本当は寝た方がよいのだろうけど、本の感想とかは生き物だから、鉄は熱いうちにうった方がよいから、書いてから寝る…と思ったけれど、結局2時まで起きてても書き終わらなかったから次の日に書いてる。日記なのにいきなりその日にかけてないぞ。なんてこったい。

で、何を読んだかというと「バッタを倒しにアフリカへ」というなかなかにパンチの効いたタイトルの本。昆虫学者を目指す昆虫博士の前野ウルド浩太郎氏(バッタ博士)が、バッタ研究の需要がない日本を飛び出し、バッタの大群の襲来により農作物が食い荒らされ深刻な飢饉に悩まされるアフリカのモーリタニアに渡り、予想外に現れないバッタや無収入と戦うノンフィクション。

何故か私の買った本屋さんではビジネス新書コーナーにおいてあり、「ちょ…すみませ…」とか細い声で難しい顔をしたおじさんたちをかき分け、2冊平積みされたうちの1冊を颯爽ととってきた。緑色のお兄さんが虫網を構えた表紙を。あのときの気持ちはBL本コーナーを見ているときの気持ちと似ていた(まだBL本を本屋で買ったことはないので、BLより先にバッタの一線を越えた)。

軽めの読み口と時々挟まれる不思議な出来事(緑色の服を着てバッタに食われようとする著者の図はもちろん、個人的にはバッタ高価買い取りキャンペーンのくだりが好き)のおかげで楽しく読めた。しかしながら、著者の置かれた立場に、ちょいちょい学者になるための道の険しさを感じさせられる。

やりたいことがあって、行動力があって、そのための賢さだって備えているのにそれだけではまだ足りないの?そんな人がたくさんいて、倍率20倍30倍で椅子を取り合ってるの?いや、それ相応の機関から支援を受けるには、真剣さ、この先の展望、結果それが大衆にどれだけの恩恵をもたらすことができるのかきちんと伝えられなければいけない。そうね、それは分かる。多分、そこで求められるのは、研究においても必要な能力。日本のおいて今特にバッタで大きな悩みはないから、バッタの知名度を上げないと勝ち目はない。そのために、バッタ博士は自らバッタの知名度を上げるべく自身のブログやニコニコ学会β、プレシデントといった様々な媒体でバッタを売り込んでいく。分かる。バッタの研究をしたい、その一心で行った行動。素敵。
……それに対して「有名になったねぇ」と、イヤミ浴びせてくる人が居る。研究者は論文によってのみ評価される。背中で語れ。そうね。その通りね。その場所がないんですけどね。「したいことをして生活する」ことへの嫉妬と批判が、こんなところにまで来ている気がする。それを言ってどうするんだろう。したいことをするために、頑張っている人の足を引っ張るだけの人はいらないよ。いらないけれど、消すことはできないから、うまいこと付き合っていくしかない。…いや、付き合いたくはないな。うっかりそういう人の思考が自分の中に入ってこないようにしなくてはいけない。自分の中に招き入れ続けた結果、私の世界はずいぶんと狭くて身動きのとれないものになっている。バッタ博士もイヤミに凹んでいる。凹んでいるけれど、バッタ博士は前に進む。バッタを追いかける。研究者でなくても、その様に励まされるし、つるりとしたゴミムシダマシのフォルムは可愛い(バッタは複数のパーツの組み合わせがカッコいいと思う)。

外国人として、モーリタニアの人々と対等に渡り合っていく術を身につけていく様子や、車の運転手というよりもはや相棒なティジャニ氏とのやりとりはほっこりする。がんばるバッタ博士の周りには、色々な魅力を持った人たちが集まる。行動できる人には応援してくれる人がいる。何をするにも、人脈が大事よ、と言われてしまうと、人と一緒に居るとどんどん消耗してしまう身としてはもはや生きてはいけないのでは…と頭を悩ませてしまうのだけれど、多分そこで言う人脈って、ただ大勢で飲んで騒ぐこと、それを楽しめる能力…のことではなくて、異なる視点を持つ人同士がお互い、行動に基づいた経験・知識・技能を示し、お互いに別の世界での活かし方を知ること。別だと思っていた世界をつなげること。お互いを尊重したうえで、生き方を交わらせること。そういうものを人脈と呼ぶのだろうな、とこの本を読んでいると思う。そうであれば、確かに人脈には意味があるし、魅力的だ。

したいことできないコンプレックスが爆発してしまったので、面白かったところの紹介が微妙な感じになってしまった。微妙なのは私であって、バッタ博士の戦いの日々の語りはとても読み応えがあり、応援したくなる。ほんとにほんとだよ。